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クラトン
大陸地殻のうち、カンブリア紀以前に安定化した部分を指す。安定陸塊(あんていりくかい)、安定地塊(あんていちかい)、剛塊(ごうかい)とも呼ばれる。楯状地、プラットフォーム(卓状地)とほぼ一致し、造山帯、付加体に対立する概念である。代表例としては、カナダ楯状地を包含する北アメリカ・クラトン、インド楯状地、東ヨーロッパ・クラトン、東南極クラトンなどがある。
これらは、最低でも過去5億年、大陸の合体や超大陸の分離(ウィルソンサイクル)の影響をほとんど受けなかった大陸地殻の古い安定な部分であり、中には30億年以上存在してきたものもある。地表の侵食が進み、台地や準平原、構造平野などを形成している。
クラトンは、通常は大陸の内部で見つかる。特徴として、花崗岩などの軽量の珪長質の火成岩から成る、古代の結晶質基盤岩の地殻からできている。これらは、厚い地殻と、マントル の中、200 kmの深さまでおよぶ根(下部リソスフェア)を持っている。 クラトンという用語は、安定な大陸の内陸部分を、沈み込み帯などに伴って形成される、帯状の堆積物が成す地向斜性トラフ(つまり付加体)などから区別するのに使われる。 散在する各大陸の中央クラトンは、楯状地とプラットフォームおよび結晶質基盤岩とほぼ一致する。楯状地はクラトンの一部であり、通常は先カンブリア時代の岩盤が、地表に散発的に露出している場所である。これに対して、プラットフォームは基盤岩が水平、またはほぼ水平な堆積物の層によって覆われたものである。
バールバラ超大陸
今からおよそ30億年ほど前の地球に存在したと考えられている安定超大陸である。このバールバラ (Vaalbara) という名称は、現在はアフリカ大陸の南部にあるカープバールクラトン (Kaapvaal craton) と、現在はオーストラリア大陸の西部にあるピルバラクラトン (Pilbara craton) とから名前をとった造語である。 このように命名されたのは、カープバールクラトンとピルバラクラトンを調査した結果、現在は全く別々の場所に存在するこの2つのクラトンが、30億年くらい前には隣接していた可能性が浮上したことを根拠に、このバールバラ大陸が存在したという仮説が提唱されたからである。一説によると、だいたい36億年前に形成が始まり、31億年前?28億年前くらいの間に存在したのではないかと考えられている。バールバラ大陸を構成していたと考えられているクラトンは現存しており、それがカープバールクラトンとピルバラクラトンである [1] 。
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シベリア大陸
シベリア大陸(シベリアたいりく)とは、現在のユーラシア大陸のうち、ロシアのシベリア地方を大陸に見立てた言葉で。実際にシベリア地方の大部分は、原生代初期から地表に存在してきたクラトン(「安定陸塊」「楯状地」とも呼ばれる非常に古い陸上プレートである。クラトンが移動によって集成して大陸が形成されたとする)と考えられている。アンガラ大陸の別名があるが、この場合はゴンドワナ大陸に繁茂した植物群との対比で使われ、シベリアに加えてモンゴルから中国北部、朝鮮半島までも含まれる。地下資源が非常に多様で豊富な地域である。地質時代史
25億年前(古原生代シデリアン)、シベリアはカナダ楯状地やグリーンランドと共に北極大陸(英語版)を構成する古いクラトンとして存在していた[1]。
11億年前(中原生代ステニアン)、シベリアは超大陸ロディニア大陸(ロディニアは、後の超大陸パンゲアが形成された地域からほぼ正反対の、現在の太平洋地域に、やや南半球寄りに形成されたと考えられている)の一部だった[1]。
7.5億年前(新原生代クリオジェニアン)、ロディニア大陸が分裂して前ローレンシア大陸(英語版)と前ゴンドワナ大陸に分かれはじめた。シベリアは前ローレンシアの一部になっている。
6億年前(新原生代エディアカラ紀)、前ローレンシア大陸は南部超大陸パノティア大陸(約15億年前~10億年前に存在したと推定されている超大陸である。パノティア大陸もその後分裂し、約10~7億年前にはロディニア大陸が形成されたと考えられている)の一部となった。
5.5億年前(エディアカラ紀)、パノティアはローレンシア大陸、バルティカ大陸、シベリア大陸に分かれた。
古生代
カンブリア紀(~4.8億年前)まで、シベリア大陸は独立した大陸だった。
オルドビス紀(~4.5億年前)に現れた陸上植物が、デボン紀(~3.6億年前)までに森林を形成するまでになった。進化生物学では、南半球のゴンドワナ植物群に対比して、北半球のアンガラ植物群[注釈 1]が三畳紀にかけてこの地域で占めたとされ、後の石炭層を形成した。
石炭紀(~3億年前)、シベリア大陸は小大陸のカザフスタニアと衝突し、アルタイ山脈を形成した。
ペルム紀(~2.51億年前)、シベリアとカザフスタニアは西からバルティカ大陸と衝突し、超大陸パンゲアが誕生した。このときの衝突でウラル山脈が形成されている。現在もこれより東側がアジア、シベリアと認識されている。
この時代、シベリア大陸を貫いて、マントルを起源とする溶岩である洪水玄武岩が大規模に噴出し、面積にして700万km2を覆い、体積にして400万km3の玄武岩を堆積させた。これは現在発見されている洪水玄武岩としては最大規模である。シベリア・トラップと呼ばれ、現在の中央シベリア高原の大部分にあたる。噴出によってこの地域にダイヤモンドや金、白金、パラジウムなどの貴金属がもたらされて鉱床となった。また、噴出で発生した大量の火山ガスがこの時代に起きた生物の大量絶滅の一因となったとする説があるが、噴出との関連や絶滅までの機序については未解明な部分が多く定説に至っていない。大量絶滅によって海洋を含めた地球上の生物相は大きく変化してしまい、これをP-T境界と呼び、古生代が終焉する。
中生代 ジュラ紀(~1.45億年前)、パンゲア超大陸が分裂してゴンドワナ大陸とローレンシア大陸の2つの大陸に分裂、広大なテチス海が形成される。
大陸には南側から北東へ運動する海洋プレートのイザナギプレートが衝突しており、この境界で北東から南西へ延びる多数の断層や褶曲山脈を生じている。タンルー断層(安徽省から山東半島、遼東半島などを含む)、シホテアリン山脈、台湾島、西日本にある現在は東西に延びる中央構造線もこの時代に形成されている。[2]
白亜紀(~6,600万年前)、ローレンシア大陸が徐々に2つに分裂し、北米大陸とユーラシア大陸が形成された。
一方、この頃シベリア地域は粘土質の海底を持つテチス海の延長の浅海、もしくは内陸の浅い塩湖か淡水湖で、気候が温暖だったことから多くの生物が生息した。この時代の生物遺骸が有機物源として頁岩中に取り込まれ、または岩塩層で封じられ、現在のカスピ海沿岸から西シベリア(チュメニ油田など)、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギス、中国の新疆ウイグル自治区やエニセイ川流域、東シベリアにかけての広範囲に大規模なガス田や油田地帯が形成されている[3][4]。
新生代 暁新世(~5,600万年前)、ゴンドワナ大陸が反時計回りに動いて分裂を開始、大西洋が南から開き始める。
イザナギプレートの活動は鈍化し、新しく形成された太平洋プレートの北西への運動が卓越するようになる(この影響で天皇海山列は北西向きに変わる。カムチャツカ半島には海溝に沈み込んだ海底火山が要因と見られる活火山が存在する[5])。
始新世(~3,390万年前)、インド亜大陸、アラビア楯状地がユーラシア大陸南部のアジア大陸へ衝突、この影響でユーラシアからアムール・プレートが分かれはじめ、アルタイ山脈の西側でバイカル湖が形成を始めている。またカフカース山脈、ザグロス山脈、パミール高原、ヒマラヤ山脈やチベット高原、横断山脈からマレー半島に至る広大な地域の造山活動が始まる(ヒマラヤ造山活動)。この北側にあったかつてのテチス海が外洋から切離された低地[注釈 2]として残され、乾燥により緩やかに陸化し、カスピ海(約550万年前~)やアラル海などが古代湖として残った。
シベリア大陸の北極海沿岸は、最終氷期ではベーリンジアと呼ばれる平原が広がり、アラスカまでつながる陸地だった。ローレンタイド氷床(英語版)からの乾燥風で氷河も発達しなかったと見られ、ここを人類が通ってアメリカ大陸へ進出したとされる。
現在 東シベリアの一部が北極圏に入る高緯度にあり、北半球の寒極になっている。シベリア大陸の南西側を除く大半が永久凍土とその上を覆うタイガ、北部はツンドラで人間が生活するには過酷な環境となっている。
近年になり資源開発が進みはじめている。タイミル半島やその東のラプテフ海沿岸や海中から新たな金・石炭・石油の鉱床が見つかっている。しかしノヴォシビルスク諸島からさらに東の東シベリア海沿岸は、駐留者の生活困難に加えて輸送(陸上、海上とも)、通信、電力といった開発に必要な基本インフラさえも整備が難しく、現在もほぼ未開発である。
温暖化により積雪が増え永久凍土が凍らないために溶出と脱水が進み、地盤の不安定化と沈下(バタガイカ・クレーターなど)による施設破損、樹林の枯死、乾燥化などが深刻になっている[6]。
将来仮定されている予測 2.5億年後、パンゲア・ウルティマ超大陸が形成され、シベリア地域は亜熱帯に置かれる。
4億年後、パンゲア・ウルティマが分裂し、シベリアはユーラシアの一部へ残る。
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インド亜大陸
インド半島ともいい、南アジアのインド・バングラデシュ・パキスタン・ネパール・ブータンなどの国々を含む亜大陸・半島。かつては独立したインド大陸であった。 「インド亜大陸」という語はしばしば「南アジア」と同義に使われる。アルフレート・ヴェーゲナーの大陸移動説やプレートテクトニクスによると、パンゲア大陸から分離・移動して、ユーラシア大陸に衝突し、そのためにヒマラヤ山脈が隆起したとされる。現在もインド亜大陸は北上し続けている。
マダガスカル島との動植物の類似から、一時はレムリア大陸説が唱えられたが、現在はパンゲア大陸内でマダガスカル島と同じ地域にあったという説が有力。
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アトランティカ大陸
この大陸を構成していたクラトンは、現在のアフリカ大陸の西部と南アメリカ大陸の東部に存在している[2]。 Rogersによれば、アトランティカ大陸の主要なクラトンは約19億年前に形成され、これはヌーナ大陸の形成と同時期であるという。なお、ここで言うアトランティカ大陸の主要なクラトンとは、現在の南アメリカ大陸に存在するアマゾニアクラトン(Amazonia Craton)と、現在のアフリカ大陸に存在するコンゴクラトン(Congo Craton)、西アフリカクラトン(West Africa Craton)、北アフリカクラトン(North Africa Craton)である。アトランティカ大陸がヌーナ大陸から分離したのは、約16億~14億年前だと考えられている[1]。これは、ちょうどコロンビア大陸が分裂した時期にあたる。コロンビア大陸とはいわゆる超大陸であり、このアトランティカ大陸の他、ヌーナ大陸、ウル大陸(en)、アークティカ大陸が合体した広大な大陸だったと考えられているが、この超大陸の分裂によってアトランティカ大陸は独立した大陸となったとされる。その後アトランティカ大陸は、約10億年前に、ヌーナ大陸、ウル大陸と再び衝突し、さらに幾つかのプレートとも衝突して、ロディニア大陸という超大陸を形成したと考えられている。このロディニア大陸は10億年~5億年前の間に分裂して、ローラシア大陸、ゴンドワナ大陸を形成し、さらにこのゴンドワナ大陸は、東ゴンドワナ大陸と西ゴンドワナ大陸に分裂した。このうち、西ゴンドワナ大陸の中央部を形成していたのが、元々アトランティカ大陸を形成していたクラトンである。その後、これらのクラトンは造山運動などに関わり、そして、現在は大西洋の両岸に別れて存在している。
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ヌーナ大陸
プレートテクトニクスにおいて、約19億年前に誕生したと考えられている超大陸。地球上に出現した最初の超大陸であったと考えられている。現在のグリーンランドを含む北アメリカ大陸の主要部分と、スカンジナビア半島を中心とするヨーロッパ大陸の一部に相当する(もっと広い範囲を含むとする説もある)。ローレンシア大陸とも呼ばれていたが、ローラシア大陸と混同されやすいため、North Europe and North American の頭文字をとったヌーナという言葉が使われる。ローレンシア大陸はヌーナ大陸の一部とも考えられる
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コロンビア超大陸
先カンブリア時代の原生代にあたる、約25億年前に形成が始まり、約15億年前まで存在したと考えられている超大陸である。ハドソンランド(Hudsonland)とも呼ばれる。ローレンシア大陸、バルティカ大陸、ウクライナ大陸(サルマティア・クラトン)、アマゾニア大陸、オーストラリア大陸などのクラトン(大陸塊)で構成されていた。これに加えてシベリア大陸、北部中国大陸、カラハリ大陸などのクラトンで構成されていたとする考えもある。
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ローレンシア大陸
プレートテクトニクス理論にて、超大陸・パンゲア大陸より以前にあったとされる超大陸の一つで、約19億年前に形成された最古の超大陸。現在のグリーンランドを含む北アメリカ大陸の主要部分と、スカンジナビア半島を中心とするヨーロッパ大陸の一部に相当する。最近では、ローラシア大陸と混同されやすいため、North Europe and North American の頭文字をとったヌーナという言葉が使われることもある。あるいは、ローレンシア大陸は、ヌーナ大陸の一部とも考えられる。
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プレートは大きく分けると、次の14 - 15枚とされている。一般的にはこれらを地球上の全プレートと考える。
・ユーラシアプレート (Eurasian Plate) ・北アメリカプレート (North American Plate) ・南アメリカプレート (South American Plate) ・太平洋プレート (Pacific Plate) ・ココスプレート (Cocos Plate) ・ナスカプレート (Nazca Plate) ・カリブプレート (Caribbean Plate) ・アフリカプレート (African Plate) ・南極プレート (Antarctic Plate) ・アラビアプレート (Arabian Plate) ・インド・オーストラリアプレート (Indian-Australian Plate) - 1つのプレートであるが、インドプレート (Indian Plate) とオーストラリアプレート (Australian Plate) の2つに分けて考えることもある。 ・フィリピン海プレート (Philippine Sea Plate) ・スコシアプレート (Scotia Plate) - 簡略図では南アメリカプレートの一部とすることもある。 ・ファンデフカプレート (Juan de Fuca Plate) - 簡略図では北アメリカプレートの一部とすることもある。
小規模なプレートはさらに40枚程度存在する。
バルティカ大陸
原生代後期から古生代初期にあったと考えられている大陸プレート。現在はユーラシア大陸の北西部を構成している東ヨーロッパクラトンに含まれている。 初期のバルティカ大陸は18億年前頃には発生したと考えられている。東ヨーロッパクラトンを構成しているセグメントや大陸は地球上の異なる場所に位置していた。バルティカ大陸は時に単独の大陸として、時に初期の超大陸の一部として存在していた。
- 18億年前、バルティカは主要な超大陸コロンビアの一部であった。
- 15億年前、バルティカはアークティカ大陸(Arctica、カナダ楯状地とシベリア卓状地に相当する)および東南極クラトン(East Antarctica)とともに、やや小さな超大陸であるヌーナ大陸を構成していた。
- 11億年前、超大陸ロディニアの一部であった。
- 7億5千年前、やや小さな超大陸プロトローラシア(Proto-Laurasia)の一部であった。
- 6億年前、主要な超大陸パノティアの一部分であった。
- カンブリア紀、バルティカは大陸として独立。
- デボン紀、バルティカはローレンシア大陸と衝突、やや小さな超大陸であるユーラメリカ大陸を形成。
- ペルム紀、全ての主要な大陸は他の大陸と衝突、パンゲア大陸を形成。
- ジュラ紀、パンゲアは二つの超大陸ローラシア大陸とゴンドワナ大陸に分裂し、バルティカはローラシアの一部となる。
- 白亜紀、バルティカはユーラシア大陸の一部となる。
- 現在、バルティカは、やや小さい超大陸であるアフロ・ユーラシア大陸の一部を成している。
- 2億5000万年後、全ての大陸がぶつかりパンゲア・ウルティマ大陸もしくはアメイジア大陸を形成するとされ、バルティカはその一部となる。
- 4億年後、パンゲア・ウルティマ(アメイジア)は分裂するとされるが、どのように分裂し、またバルティカがどの大陸の一部となるかは、だれにもわからない。
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ロディニア大陸
プレートテクトニクス理論において、約11億年前から7億5000万年前にかけて存在したと考えられている[2]、世界のほぼ全ての陸塊が集まってできた超大陸である。「ロディニア」という名前はマーク・マクメナミンが1990年に命名、これはロシア語で「故郷」を意味する単語の「ロージナ」(родина, rodina)に由来する[3]。1991年、ポール・ホフマンがアメリカの科学雑誌『サイエンス』にロディニア大陸の主要配置について発表した[4]。ロディニアは、後の超大陸パンゲアが形成された地域からほぼ正反対の、現在の太平洋地域に、やや南半球寄りに形成されたと考えられている。ロディニアの大陸配置が地球の全球凍結を引き起こした(南北両極とも海洋なので凍結しやすい)という説もあるが、いわゆるスノーボールアース現象は約7億年前の出来事とされ、ロディニアの大陸分裂が起こってから約5000万年後[5]、というのが現在の通説である。
約7.5億年前にロディニア大陸が分裂をはじめ、その後に関してはゴンドワナ大陸と呼ばれるかなり大きな大陸と、シベリア大陸、ローレンシア大陸、バルティカ大陸と呼ばれる小さな大陸へと分裂したと考えられている。ロディニア分裂後に関しては、各々の大陸が1億年ほどかけて異なる配置に集結し、新たな超大陸パノティアが約6.5億年前にできたとする異説[6]もある。
生態系
3億年前の超大陸パンゲアには多彩な生物がいたが、ロディニア大陸は地上に生命体と呼べるものがいない、岩石だけの大地である。
ロディニアが形成された約10億年前は、海の中でようやく小さな多細胞生物(菌類)が出現するようになった時期であり[8]、陸生生物は当然いなかったと考えられている。また、これまで発見されている最古の陸上植物(の化石)も約4億7000万年前の陰胞子である[9]ため、超大陸ロディニアには原始の植物すら生えておらず、ただ岩石だけの陸塊だったと考えるのが妥当である。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%82%A2%E5%A4%A7%E9%99%B8
パノティア大陸
プレートテクトニクスにおいて、約15億年前~10億年前に存在したと推定されている超大陸である。パノティア大陸もその後分裂し、約10~7億年前にはロディニア大陸が形成されたと考えられている。古地磁気の研究により存在が分かってきたが、成立・分裂時期など詳しいことはまだ研究者の間で意見の相違がある。パノティア大陸以前の超大陸としては、約19億年前にヌーナ大陸が存在したと考えられ、また最近では、ヌーナ大陸とパノティア大陸の間の時期にもさらに超大陸があったのではないかと考えられている(コロンビア大陸)。また、研究者によっては、およそ7億年前にロディニア大陸が3つに分裂し、それらが6億年前に再び合体してできた大陸をパノティア大陸と呼ぶこともある。その後、5億4,000万年前頃に、パノティア大陸はローラシア大陸、バルティカ大陸、シベリア大陸、ゴンドワナ大陸に分裂したとされる。
5億年前以前の大陸移動の様子については、研究者の間で意見の一致をみておらず、パノティア大陸についても、いつ存在したどの大陸を指すのか統一はとれていない。
ゴンドワナ大陸
プレートテクトニクスにおいて、過去に存在したと考えられている超大陸。名前の由来はインド中央北部の地域名で、サンスクリット語で「ゴンド族の森」を意味する。現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸や、アラビア半島、マダガスカル島を含んだ、巨大な大陸であった。ゴンドワナ大陸は、今から約2億年ほど前から分裂を始め、中生代白亜紀末(6500万年前)にはアフリカから南米、南極、インド、オーストラリアの各プレートが離れたとされている[1]。
約6億年前に、パノティア大陸が分裂して誕生した。北半球の低緯度地域から、南極まで広がっていた。石炭紀に当たる、約3億5,000万年前から3億年前には、地球が寒冷化したため南極とその周辺に大規模な氷河が発達した。しかし、それ以外の時期はおおむね暖かかったため、氷河は存在しなかった(逆の言い方をすれば、ゴンドワナ大陸南部が南極にあったことで氷河が発達して寒冷化をより進行させ、後にゴンドワナ大陸が北に移動して南極から離れたことなどもあって氷河が消え、温暖化をより決定づけたとも言える)。
石炭紀の後期には、ゴンドワナ大陸は北上して、赤道付近にあったユーラメリカ大陸と衝突し、パンゲア大陸の一部となった。さらに数千万年後のペルム紀にはパンゲア大陸はシベリア大陸とも衝突し、地球上のほぼ全ての陸地が1つの超大陸となった。
ジュラ紀中期の1億8,000万年前頃になると、パンゲアは再びローラシア大陸とゴンドワナ大陸に分裂した。 さらに、ゴンドワナは現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸などを含む西ゴンドワナ大陸と、南極大陸、インド亜大陸、オーストラリア大陸を含む東ゴンドワナ大陸へと分裂した。
白亜紀に入ると、西ゴンドワナ大陸はアフリカ大陸と南アメリカ大陸に分裂し、その間に大西洋が成立した。また、東ゴンドワナ大陸は、インド亜大陸及びマダガスカル島と、南極大陸及びオーストラリア大陸の2つに分裂した。白亜紀後期には、インド亜大陸とマダガスカル島が分かれ、インド亜大陸はユーラシア大陸に向けて急速に北上を開始した。
恐竜絶滅後、新生代に入ると、南極大陸からオーストラリア大陸が分裂し、北上を始めた。インド亜大陸は北上を続け、およそ4500万年前にユーラシア大陸に衝突し、ヒマラヤ山脈を形成した。その証拠として、ヒマラヤ山脈の山頂付近には、海洋生物の化石が多数発見されている。また、大西洋は広がり続けた。こうして、現在の大陸配置が成立した。
古生代ペルム紀の植物であるグロッソプテリスはゴンドワナ大陸に生育していたことで知られ、その化石は南アメリカ、アフリカ、インド、南極、オーストラリアの各地で発見される。また、この地域に分布域を持つ生物をゴンドワナ要素という。たとえば肺魚はアフリカとオーストラリア、それに南アメリカにそれぞれ別属が分布し、典型的なゴンドワナ要素である。この他、植物ではバオバブがアフリカ、マダガスカル、オーストラリアに分布している。このようにゴンドワナ要素は現在の南半球の大陸に隔離分布する。それらは新生代初期までに出現した陸上生物と考えられる。
逆に、ゴンドワナでは見られない生物群も存在する。かつて齧歯類と哺乳類の覇権を争って繁栄していた多丘歯類は2億年前のジュラ紀中期頃に出現しているが南半球で生息した痕跡が見つかっていない。
ユーラメリカ大陸
デボン紀に生成された小規模な超大陸。ローレンシア大陸・バルティカ大陸・アバロニア大陸(英語版)が衝突 (カレドニア造山運動) した結果として生じた。オールド・レッド大陸 (Old Red Continent) とも、オールド・レッド砂岩大陸 (Old Red Sandstone Continent) とも呼ばれる。ペルム紀にはユーラメリカ大陸は大規模な超大陸であるパンゲア大陸の一部となった。ジュラ紀にはパンゲア大陸がローラシア大陸とゴンドワナ大陸に分裂し、ユーラメリカ大陸はローラシア大陸の一部となった。
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パンゲア大陸
ペルム紀から三畳紀にかけて存在した超大陸である。パンゲア(Pangaea/Pangea)という名前は古代ギリシャ語のpan(π?ν, 全ての、全体の)Gaia(γα?α、ガイア、大地)[1]から。漢名は盤古大陸(ばんこたいりく)である。古生代ペルム紀の終わりである2億5000万年前頃に、ローレンシア大陸、バルティカ大陸(ローレンシア・バルティカ両大陸は既にデボン紀には衝突し、ユーラメリカ大陸を形成していた)、ゴンドワナ大陸(ペルム紀初期にはユーラメリカと衝突)、シベリア大陸などすべての大陸が次々と衝突したことによって誕生し、中生代三畳紀の2億年前ごろから、再び分裂を始めた[3]。 超大陸の完成時、地球内部からスーパープルームが上昇して世界各地の火山活動が活発になり、ペルム紀と三畳紀との境界(P-T境界)に当時生きていた古生代の海洋生物種のうち、実に95%以上が絶滅した。 当時の海水準は高かったため、大半の時代は、浅海によって幾つかの陸塊に分かれていた。
パンゲア大陸は、赤道をはさんで三日月型に広がっていた。三日月内部の浅く広大な内海であるテチス海では多くの海洋生物が繁殖した。その一方、内陸部は海岸から遠いため乾燥した砂漠が荒涼と広がっていた。ほぼ全ての大地が地続きで動植物の移動が促進されたため、生物多様性は現在よりも乏しく均質だった。
1億8000万年前のジュラ紀になると、南北に分裂し、北はローラシア大陸、南はゴンドワナ大陸となった。両大陸は、更に分裂していった。
パンゲア大陸の形状については、三日月型ではなく、上記地図のユーラシア大陸の凹みとオーストラリア大陸の凸部とが丁度つながり、丸くなっていたという説もある。
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ローラシア大陸
プレートテクトニクス理論で太古に存在したとされる超大陸である。1937年に南アフリカの地質学者アレクサンダー・デュ・トワによって提示された。超大陸パンゲアが分裂し、テチス海を挟んでローラシア大陸とゴンドワナ大陸が生成された。ローラシア大陸は、さらに分裂していき、ユーラシア大陸と北アメリカ大陸が形成されていく。ローラシア大陸は、かつてパンゲア大陸を形成したローレンシア大陸、バルティカ大陸、シベリア大陸、カザフスタニア及びシナ地塊から成る。