蒼 穹

 04. 今日は計画停電の日

「新婚旅行って、結婚したばかりの人たちがするんでしょ? 父さんと母さんは新婚じゃないじゃん! 僕がいるんだし!!」

「ああ~おまえがいるからな。おまえが生まれたから、彼らは式も挙げてないし新婚旅行も行ってないのさ」

「――僕のせいで?」

「そ。おまえのせいで」

「ぼ――僕のせいで――僕の――」

「あーもー考えるんじゃねえ!! 適当に切り上げとけ!!」

 日はすっかり暮れて薄暗くなってきた。甚平は室内灯のスイッチを押したが、点かない。

「あ、今日は計画停電の日だよ」

 壁に張ったカレンダーを見て少年が指摘する。節電のために夜間も電力が提供されない日が定期的にあるのだった。

「おまえ、今夜泊まってっか?」

「いいの?」

「だって、ひとりで暗いとこに帰るなんてやだろ?」

「ぅわ、うれしいな!」

 今時の冷蔵庫は小型バッテリー内蔵なので食品が傷む心配はない。

「じつはさ、学校でいろいろあって。甚平さん、聞いてくれる?」




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