黄金門市は北緯15度あたりの東海岸にあって森林の多い、公園のような国に囲まれ、富裕階級の邸宅が散在していた。西には一連の山脈があってそこから水道が引かれた。市は地表上約500フィートの丘の斜面に建てられ、頂上には皇帝の宮殿と庭園とがあり、その中心には水の流れが噴出し宮殿と庭園のなかの噴水地とに至り、そこから再び四方に流れ、構内を囲んでいる運河の中にいくつもの小滝となって流れ落ちた。
この運河から四つの水路が延びて水を導き、市の四区画を経て小滝(複数)に至り、こんどはこの小滝が別の周回している運河に水を注ぐ式になっており、このような同心円を描く運河が三つあり、一番低い運河でも地平よりまだ高かった。
この都市は水道施設が見事であったため、水の都ともいわれ、時代のいかんを問わずその後企てられたいかなる水道事業より優秀であった。水は約2,600フィート(約790メートル)の高さにある西寄りの湖に源を発し、縦・横 50フィート(約15m)x30フィート(約9m)の卵型断面の導水管によって地下をくぐり、宮殿の地下深くにある心臓型の貯水池に導かれた。貯水池には約50フィートの垂直な縦抗が岩盤を貫いて水の出口になり、そこを通って水は宮殿の庭園に沸き上がった。中心の貯水池からいくつものパイプが市の各所に走って飲料水を給しまた噴水となった。地区ごとに給水をコントロールするヴァルヴもついていた。水圧は巨大なもので会ったに違いないから水道管に使用する材料の質も優秀なものであったに違いない。
平野に散在する他の都市は巨大な土堤に守られ、外側は厚い金属板を被せてあるので弓矢にはびくともしない防壁となっていた。
黄金門市の平面図、断面図 (神智学大要 278p 図42)
南北10マイル(約16㎞)東西12マイル(約19㎞) 面積:120平方マイル/304平方キロメートル
モルディブとほぼ同じ面積に200万人住んでいた